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私のRCサクセション [思い出ネタ]

忌野清志郎氏の訃報を知ってから、私の頭の中でRCサクセションの音楽が繰り返し再生されており、仕事中も気がつけば鼻歌を歌ったり歌詞を口ずさんだりしている。私はRCの熱心なファンではなかったがそれなりに思い出はある。ブログに書いて人に読んでもらっても特に面白くもなんともない思い出だが。RCの存在を意識したのは中学生時代。きっかけは忘れたが、なんとなしに「ちょっとRCのファンになってみようかな?」とか考えたのだ。要するに思春期特有のアホくさい自意識の表出でありポーズである。何かのファンになればかっこ良くなれるものでもないのにね。今思い返してみると、多分毎週聴いていた坂本龍一のサウンドストリートあたりの影響だったのではと推測する。

お小遣いの少なかった私はRCに限らずレコードを購入するゆとりなどなかったのだが、中学2年の時ひょんなことで、その機会を得た。場所は修学旅行中の都内某所である。修学旅行の自由行動の日に私は川口の伯母と会う約束をしていた。幼少のころは何度も親戚の家に遊びに行ったものだったが、ある程度成長してからは親戚とは疎遠になっていた。
なので、子供の頃は可愛がってもらっていたくせに、人見知りするようにはにかんでしまって、何を話せば良いのか分らなかった。そんな私の様子を察してか「何でも好きなもの買ってあげるから言って見なさい。」と叔母さんが切り出してくれた。「実はレコード屋に行きたいんだけど。。。」田舎坊主の私は少々屈辱を感じたが、子供のように人に甘えられる機会はもうないだろうと、叔母さんに案内してもらった。「俺が今欲しいものはと。。。」と熟考し、ハムレットのように悩んだが、結局私の手には2つのミュージックテープが残った。(なんでLPでなくテープにしたかは謎である。荷物になると思ったからかな?)

ひとつは、ブラスロックバンド「スペクトラム」のベストアルバム。これは私が吹奏楽小僧だった関係である。私が中2のころには既に解散していたが、いっこ上の熱心なスペクトラムヲタの先輩の影響でじっくり聴いてみたくなっていたのだ。その時までスペクトラムの楽曲と言ったらインザスペースしか知らなかったし、桑田啓介がヴォーカルで参加していることも知らなかった。今ひとつがRCサクセションである。とにかく何でもいいからと思ってロクに内容を確かめず「これがいいな。」と伯母さんにレジを頼んだ。ほんとはもっとちゃんと選びたかったが、二つも手にしている時点でずうずうしく思ったので遠慮した。自分へのお土産を得た私はこの2つのテープを聴くことを非常に楽しみにしていた。

家に着いて早速RCのテープを聴いてみたが、なんだか違和感を感じた。全然ロックしてない。まるでコミックバンドみたいだし、曲も古くさい。「アレ?RCってこんなバンドだったっけ?」そう。私はRCがフォークバンドから出発したことを知らなかったのだ。「俺はフォークグループのファンになるつもりはないんだが。。。」と喰わず嫌いをしそうになったが、繰り返して聴くうちにだんだん引き込まれ、ロックに路線変更した以降のRCの音楽よりずっと好きになった。かえってRCの「愛し合ってるかい?」とか「Mmm...Baby!」とかいう要素は受け付けない体になった。そのテープのタイトルは「ハードフォークサクセション」というものだった。つまり私にとってRCの音楽とは初期RCのことであり、化粧をしているキヨシローではなくマッシュルームカットのキヨシローなのである。


忌野清志郎氏の逝去をきっかけに以上のようなことを思い出し、私のiPodにRCのプレイリストを作ってみた。(思えばRCとは25年ぶりの邂逅となる。)その結果、「トランジスタラジオ」「雨あがりの夜空に」「サマーツアー」「ベイビー!逃げるんだ。」などといった私の思春期にリアルタイムで流行っていた楽曲を一切含まないリストになった。今車の中で聴いているのは「ぼくの好きな先生」「三番目に好きなもの」「僕の自転車の後ろに乗りなよ」「キミかわいいね」などといった初期のRC、および、矢野顕子とのデュオの「ひとつだけ」、坂本冬美と細野晴臣とのトリオHISの「夜空の誓い」などの曲である。修学旅行の時伯母さんに買ってもらったテープはまだ私の部屋のどこかにあるはずだ。実は昨日この思い出のテープを探す気になって部屋の隅っこにうずたかく積んである段ボールの発掘調査を行ったが、あまりにも他の雑テープや雑ビデオが膨大であり発見出来なかった。RCは見つからなかったが、長年忘れていた高校や大学時代の吹奏楽部時代の演奏テープなぞを発見し、つい懐かしさに浸り、そのうち飽きてめんどくさくなり発掘を断念した。私はこういったものを一切捨てられないのである。

「離れている時でも おいらのこと 忘れないでいてほしい ねえ お願い BYキヨシロー」BYE!

コメント(4) 
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コメント 4

takebow

以前、小生のblogに初期RCが好みだと書いておられたのは、こういった事情があったのですね。ラジオファンになってしまった小生には、忌野清志郎の音楽がラジオと切っても切り離せないのです。
by takebow (2009-05-07 20:53) 

manzo

師匠、こんばんわ。そのような投稿をさせていただいたのはいつのことだったか全く思い出せないです。スミマセン。

「三番目に大事なものはー。。。。アナタよー」なんて歌詞を作れるアーティストは未だ持ってキヨシローだけですよ、ハイ。
by manzo (2009-05-07 21:25) 

takebow

あれから3年も経つんですね。ここ↓です。フォーク時代は小生の中・高校で、大学の時にロックに転換して行ったのでした。当時、下宿にテレビが無く、「雨上がりの夜空に」などはラジオでしか触れられなかったのでした。

http://d.hatena.ne.jp/take-bow/20060407
by takebow (2009-05-07 22:03) 

manzo

拝見いたしました。確かに私めの書き込みですね。私の場合YMO関係からRCに接近していったという経緯があります。私も小学生のころからラジオっ子でしたが、AMでしたら鶴光のオールナイトとかくずてつの日曜はダメヨとかばっかりでした。FMは中学生からですね。お小遣いの使い道はFMレコパルかFMファンでした。
by manzo (2009-05-07 23:20) 

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